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皆さん、こんにちは。不動産鑑定士の三原です。今日のテーマは「更新料の考え方:後払いか前払いか?」についてです。
当社の運営するYouTubeチャンネル「地主の駆け込み寺ch」の視聴者様から、次のような質問をいただきました。
「地主です。借地人から『借地権を買い取ってほしい。借地権の金額は1,000万円だが、最近契約を更新した際に支払った更新料200万円を返してもらうことになるので、借地権1,000万円に更新料200万円を加えた1,200万円での売買を希望する』と言われました。私は買い戻しを考えていますが、更新料を返すということには納得できません。更新料は返さなくてはいけないのでしょうか?」
この質問はよくあるケースです。確かに借地人側からすると、更新料を支払った直後に借地権を返すことになるため、その分を返してもらいたいという気持ちも理解できます。
一方で、地主の立場からは、一度受け取った更新料を返すのはおかしいと感じるのも当然です。
今回は借地権買取時に更新料は返す必要はあるのか、そもそも更新料は後払いなのか前払いなのかについて解説します。
結論から言うと、借地権買取時に更新料の返却が必要なのかどうかという問題は、ケースバイケースで、交渉によって決めるしかありません。
つまり更新料を返すこともあれば、返さないこともあります。
この判断には、借地の更新料が「前払い」なのか「後払い」なのか、という考え方が影響します。
まず、「借地の更新料は前払い」の立場について説明します。更新料を「次の契約期間に借りる権利の前払い金」と考える立場です。通常、借地人はこの立場から主張します。この場合、例えば20年契約であれば、更新料200万円は1年あたり10万円と計算できます。更新して1年が経過した時点では1年分を差し引いた190万円を返す、ということになります。
次に「借地の更新料は後払い」の立場です。この場合、更新料は「前の契約期間に対する後払い」とみなします。つまり、更新料を返す必要はない、という立場です。
当然、地主はこちらの立場を主張します。
結局のところ、借地の更新料が「前払い」なのか「後払い」なのかについては、どちらの立場にも正当性があり、正解はありません。最終的には双方で交渉して決めるしかないのです。
地主としてアドバイスするなら、後払いの立場に立つ方が有利になるケースが多いでしょう。また、更新料を受け取る際に「途中で解約した場合でも、更新料は返さない」と契約書に明記しておくことも1つの方法です。
借地についてさらに具体的な相談をしたい場合は、ぜひ当事務所へご相談ください。
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