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皆さん、こんにちは。不動産鑑定士の三原です。今回のテーマは「相続税を安くする最善のツールとは？」についてです。
先日ある地主さんとの会話の中で、不動産鑑定を使うことで相続税を安くすることができるかどうか？について質問がありました。
結論からいうと、ズバリ！不動産鑑定を使うことで相続税が安くなり得ます。
そこで今回は、なぜ不動産鑑定を活用すると、地主の相続税を抑えられるのか、詳しく紹介します。
不動産鑑定」で地主の相続税を抑えられる理由
そもそも相続税とは、簡単にいうと、お亡くなりになった人が所有する財産の大きさに応じて掛かってくる税金のことです。
そして相続財産に、不動産が含まれる場合、どのくらいの価値があるのかを評価しなければなりません。
つまり、その不動産の評価額を、仮に低く査定することができれば、その分、相続税が安くなるということです。そして、この低く査定するための最善のツールが「不動産鑑定」ということになる訳です。
不動産鑑定すべき相続財産の例
では、どういった土地を相続する場合は、不動産鑑定を依頼すべきなのでしょうか。
それは主に、路線価（国税庁が公示する公的な価格の評価額）と、実際の市場価格（時価）が乖離する物件です。
一般的に、路線価は時価よりも低く設定されています。これは、路線価が公的時価の約80％で設定されるためです。しかし路線価は一律に決まるため、実際の不動産の価値と乖離しているケースが少なくありません。
路線価＜時価なら、そのままでも相続税を抑えられます。しかし土地の形が複雑な物件、極端な形状の物件、道路に面していない特殊な物件、がけ地や高低差がある物件などは、路線価＞時価となっていることもあります。
このように路線価＞時価となっている場合は、不動産鑑定を依頼して、より土地の個別性を反映した評価をすることが大切です。適正な評価額を算出することで、相続税の払い過ぎを防ぐことができます。
（不当に評価額を下げるのではなく、適正な評価をした結果、路線価より割安になるということです）
地主の相続時に不動産鑑定を依頼するメリット
地主の相続時に不動産鑑定を依頼するメリットとしては、相続税の払い過ぎを防ぐことのみならず、税務署への説得力が増すことも挙げられます。
もし税務調査が入った際に、不動産鑑定書が、申告内容が適正であることを示す何よりの証拠となるためです。
また、不動産鑑定書は、遺産分割におけるトラブル防止にも役立ちます。不動産には値札がついているわけではないため、「兄さんがもらった土地のほうが価値があるのだから、不公平だ」といった不満が生まれてしまう可能性もあります。しかし不動産鑑定を依頼して、相続人全員が納得できる評価額を算出することで公平性が増し、結果として相続人同士のトラブルを防ぐことができます。
一方で、不動産鑑定のデメリットについてですが、鑑定費用がかかるという点。このあたりは費用対効果をしっかり検討したほうがよいかと思います。
不動産鑑定を依頼すべきケース
最後に不動産鑑定士としての個人的なアドバイスになりますが、次のようなケースに当てはまる場合は、ぜひ不動産鑑定を受けてみてください。
- 「路線価評価」と「実際の価値」に差があるのではと不安に感じる場合
- 特殊な不動産を持っている場合
- 遺産分割方法を考えるために、適正な評価額を知りたい場合
早めに不動産鑑定士に相談すれば、有効な相続対策を考える余裕も生まれます。当事務所でも、これまでに多くの地主の相続対策をサポートさせていただいておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
