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こんにちは。不動産鑑定士の三原です。
今日は、「今さら聞けない『底地』の徹底解説 後編」としてお話しします。前編をご覧になっていない方は、まず前編をご覧ください。
今回は、「借地の整理」について説明します。
さっそく内容に入りますが、借地の整理とは、これまで説明してきた底地の問題を解決するための試みです。
借地の整理とは簡単にいうと、借地契約を解消することです。
そもそも借地権がついている状態というのは、一つの土地に複数の権利者が存在している、つまりややこしくてイレギュラーな状態です。具体的には、1つの土地に借地人の居住権がある一方で、地主さんの土地利用が制限された所有権(=底地)が存在しています。このように、権利関係が複雑に絡み合った状態を解消するのが「借地の整理」です。
今回は、地主さんが取れる手段として、主に次の3つを紹介します。
- 借地権を買い戻す
- 底地を売却する
- 借地権と底地を等価交換する
それぞれについて簡単に説明していきます。
- 借地権を買い戻す
借地権の買い戻しとは、地主さんが借地人さんから借地権を買い取ることです。
「貸した土地に対して、なぜお金を支払わなければならないのか?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、借地権には財産的な価値があるため、地主さんもその現実を受け入れる必要があります。
ただし、地主さんとしてのポイントは「どうやって安価に買い戻すか」です。この点については、実務上さまざまなテクニックがあります。具体的な事例については、動画でたくさん取り上げていますので、ぜひチェックしてください。
- 底地を売却する
底地を売却する方法には、次の3つのパターンがあります。
- 借地人と共同で、第三者に完全な所有権として売却する
この場合、借地人が売却を希望しているタイミングでないと、交渉が難しくなります。借地人が退去する必要があるためです。借地人が売却を拒否した場合、この方法は選択肢から外れます。 - 借地人に直接売却する
借地人に底地を売却する方法です。この場合も、借地人との交渉が必要になります。 - 底地買取業者に売却する
借地人との交渉が不要なため、最も手間がかかりません。地主さんの意向だけで売却が進むため、迅速に話がまとまるのがメリットです。ただし、買取価格が市場価格に比べてかなり低くなるデメリットがあります。
なお、底地買取業者に売却する際の注意点については、過去の動画「地主必見!底地ビジネスとは?」でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
- 借地権と底地を等価交換する
等価交換とは、簡単にいうと、土地を2つに分割して、借地人に一部を完全な所有権として渡す代わりに、残りの土地が地主のもとに戻ってくるという方法です。
詳しい内容は、別の動画「借地権と底地の等価交換」で解説していますので、そちらもぜひチェックしてみてください。
補足:底地の共有について
最後に補足として「底地の共有」について少し触れておきます。
地主さんの中には、借地権が付いている底地を、複数の親族と共有している方もいらっしゃいます。この「底地の共有」状態は、ただでさえ複雑な底地の問題に加え、共有というさらに厄介な状況を抱えています。こういった土地を解消する方法についても、動画「複数親族で持ち合う共有地の解消方法」や「大地主の共有地問題」で詳しく解説しています。興味のある方は、ぜひご覧ください。
プロに頼ることの重要性
最後に、私からのアドバイスです。借地の整理は非常に難しく、地主さんご自身で借地人さんと交渉して成功するケースはほとんどありません。
むしろ、本人が気付かないだけで、金銭面で損をしていたり、思わぬ落とし穴にはまっていたりすることも多いものです。
借地や底地の問題は専門性が高いため、相続や税金の観点も含めて、総合的にアドバイスをしてくれるプロに依頼することをおすすめします。普段から信頼できるプロとのつながりを作っておくことが大事です。
まとめ
今回の内容をまとめると、以下の通りです。
- 借地権を買い戻す
- 底地を売却する
- 借地権と底地を等価交換する
- 底地と共有地というダブルパンチ問題の整理方法
いかがでしたか?地主さんが安心して日々を過ごせるよう、早めの行動を心がけてください!