借地契約のトラブル・リスク対策

地主は「地上権」に要注意!土地を奪われないために知っておくべきことを不動産鑑定士が紹介!

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こんにちは。不動産鑑定士の三原です。
今回は、地主さんが知っておくべき「地上権のリスク」について解説します。

地上権とは

地上権とは、他人があなたの土地を自由に使えるようにするための権利です。たとえば、土地に建物を建てたり、竹木を植えたりする権利として民法で認められています。

しかし、この地上権を一度認めると、実質的には土地を売却したのと同じ状況になってしまうことがあります。

そのことを理解するために、地上権と借地権の違いについて見てみましょう。

比較項目 地上権 借地権(賃借権)
法的性質 物権 債権
根拠法 民法第265条、建物所有目的の場合は、さらに借地借家法 民法、借地借家法
譲渡・転貸 地主の承諾不要 地主の承諾必要
地代支払い 必須ではない 必須
存続期間 制限なし 最低30年(借地借家法)
地代不払い時 消滅請求は困難 契約解除が可能
契約の更新 規定なし 更新制度あり(借地借家法)
中途解約 極めて困難 条件により可能
権利の強さ 非常に強い 強い(借地借家法で保護)

このように、地上権は借地権と比べて、地主に不利な形態だといえます。

地上権者は地主の承諾なしに、第三者へ自由に譲渡・転貸することも可能なことをふまえると、まさに実質的に土地を手放したのと同じでしょう。

このため地主さんにとっては、賃借人に地上権を認めるのかどうか、非常に慎重な判断が求められるといえるでしょう。

地上権が求められる具体例

地主にとってリスクの大きい地上権ですが、どのようなときに求められるのでしょうか。代表例は次の3つです。

  • 私道の通路権やインフラ整備
  • 太陽光発電用地
  • 農業用土地や水路の付け替え

それぞれ注意点とあわせて見ていきましょう。

私道の通路権やインフラ整備

まず、あなたの土地が私道や水道管の通路として利用されている場合、不動産業者や近隣住民から「地上権を設定してほしい」と依頼されることがあります。

例えば、再開発プロジェクトやお寺の墓地への通路確保などのケースが挙げられます。

しかし地上権を一度設定してしまうと、その土地が永遠に戻ってこない可能性があります。そのため、設定料や賃料などの条件を十分に検討し、慎重に判断することが重要です。

太陽光発電用地

近年、太陽光発電を目的とした地上権設定の依頼が増えています。特に、事業者から「土地を売ってほしい」「売却が無理なら地上権を設定してほしい」と強く要請される場合があります。

太陽光発電設備は、借地借家法上の事業用建物に該当しません。そのため、事業者側はより強力な「地上権」を求めてくるのです。

しかしこの場合も、地上権を認めてしまうと、将来的に土地の利用や売却が制限されることがあります。契約条件を細かく確認することが必要です。

農業用土地や水路の付け替え

郊外に土地を持っている場合、物流施設の開発などで「農業用水路の付け替え」が必要になることがあります。この際に、不動産業者から「地上権を設定したい」と依頼されることがあります。

一見、少しの土地を使わせるだけに見えますが、条件次第では土地を売却したのとほぼ同じ状況になる可能性があります。

地上権設定を打診されたら専門家に相談するのがおすすめ

地上権を設定する話が持ち上がった場合、簡単に応じるのは非常に危険です。一度設定すると、その土地を取り戻すのが極めて難しくなるからです。

特殊な例として、地下鉄の出入口を設置するための地上権設定が挙げられます。このような場合は、土地の評価が上がるケースもありますが、通常のケースでは地主さんにとって慎重な判断が求められます。

もし地上権の話が持ち上がった場合は、必ず不動産鑑定士などの専門家に相談することをお勧めします。当事務所でも地主の方からの相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

当サイトの管理者

  • 三原 一洋
  • 株式会社日本橋鑑定総合事務所 代表取締役
  • 不動産鑑定士 (国土交通省登録No.7765)
    公認不動産コンサルティングマスター
    相続対策専門士

  • 1975年和歌山県生まれ。
  • 不動産鑑定事務所から、ファイナンス会社の不動産評価、融資審査業務を経て、2006年に株式会社日本橋鑑定総合事務所を設立。
  • 地主・不動産オーナーが直面する「不動産問題」の解決を得意とする。

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