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こんにちは、不動産鑑定士の三原です。
土地は相続前に売却すべきなのか、それとも相続後に売却すべきなのか、迷っている方もいるのではないでしょうか。
この疑問に対する答えはケースバイケースですが、税金の観点からすると、相続後に売却したほうがいいかもしれません。
今回は相続財産の土地の売却タイミングについて、考えていきましょう。
相続税の評価方法
相続税は、相続が発生した時点の時価で故人の財産を評価し、その評価額に基づいて税金がかかります。
通常、土地の評価は相続税路線価を基に計算します。路線価の調べ方については、別の動画で解説していますので、興味がある方は下記リンクからご覧ください。
【自分で簡単に調べよう！】路線価とは？？調べ方・価格査定の仕方【パソコン画面付き解説】
土地の評価方法は相続前後で変わる
土地は相続前に売却すべきなのか、それとも相続後に売却すべきなのかを考える際は、「土地の評価方法は相続前後で変わる」ということを押さえておかなければなりません。
具体的な例を挙げて説明します。
例えば、お父さんが土地を１億円で売却しようとしています。
この時、お父さんが亡くなったら、相続税評価はどうなるのでしょうか。
売買契約の締結前・締結後で、財産の評価方法が変わることがポイントです。
土地を持ったまま亡くなったら「路線価」で評価する
もし土地を売ろうとしていても、生前に契約が締結されていなければ、相続税路線価で土地を評価することになります。
もし1億円で土地を売ろうとしていても、土地の路線価が5千万円なら、相続税評価も5千万円です。
つまり土地を持ったまま亡くなったら、相続税評価は「路線価」で計算するということです。
土地を売ったら「契約金額」で評価する
一方、もし土地を売ろうとしているお父さんが亡くなり、その時点で売買契約が成立していれば、まだ代金決済前であっても、その契約金額で相続税を計算します。
路線価5千万円の土地を、1億円で売る売買契約を結んでいたとしたら、１億円が相続税評価額となります。
契約を締結した段階で、すでに売買契約は有効に成立していると見なされるため、相続税評価額は１億円に基づいて計算されます。
つまり相続前に土地を売ったら、その「契約金額」で相続税評価がされるということです。
土地は相続前・相続後のどちらに売却するのが有利？
土地の売主が亡くなった場合、売買契約の締結前・締結後によって、相続税評価方法が変わります。
締結前は路線価による評価、締結後は売買契約額による評価です。
これをふまえると、土地を持っている場合、相続前・相続後のどちらに売却するのが有利なのでしょうか。
不動産鑑定士としての立場から、私なりの意見を述べると、土地を急いで売る理由がない場合、相続後に売却する方が、相続税の観点からは税金が安くなることがあります。
特に最近は、不動産市況が好調で、実勢価格がどんどん高くなっています。この傾向はしばらく続くと思われます。
普通は、高い時に土地を売った方が得だと思われがちですが、路線価による評価で相続したあと、相続人が売却をしたほうが、結果的に相続税が安くなることがあるのです。
ですので、今売るべきか、相続後に売るべきか、タイミングをしっかり考えることが重要です。
土地の売却についても不動産鑑定士に相談できる！
土地は相続前に売却すべきなのか、それとも相続後に売却すべきなのかについては、多角的な面から判断する必要があります。
今回紹介した例では、相続後に売却したほうがいいと感じたかもしれませんが、場合によっては相続前に売却したほうがいいこともあります。
当事務所では、不動産鑑定士の視点から、相続対策についてアドバイスすることが可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
