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賃料更新、簡単に合意してはいけない〇〇
こんにちは、不動産鑑定士の三原です。今日のテーマは「賃料更新、簡単に合意してはいけない〇〇」についてです。
賃料値上げに関して、最も重要なことの一つは、直近合意時点がいつかということです。賃料の値上げは、直近合意時点からの物価や地価、税金の変化を基に決定されるため、景気や地価が上昇している場合、直近合意時点からの期間が長いほど、オーナーにとって有利になります。逆に、合意時点からの期間が短い場合、オーナーにとっては不利になります。
では、実際の判例を参考に、具体的に説明します。これは令和3年の判決です。
事例紹介
このケースでは、オーナーが直近合意時点から8年が経過したと主張し、借り手は2年だと反論しました。地価は上昇傾向にあり、オーナーにとっては期間が長い方が有利です。しかし、借り手は2年前に同額の賃料で更新しており、その2年間の物価や地価の変動を見て新たな賃料を決めるべきだと主張しました。
裁判所はオーナー側を支持しました。その理由は、2年前の更新時点では賃料について具体的な交渉が行われていなかったため、新たな賃料の合意が成立していないと判断されたからです。つまり、裁判所はオーナーに有利な立場を採用しました。
不動産鑑定士の意見
不動産鑑定士としての意見としては、わずかな賃料変更であれば、あえて賃料について合意しないことをお勧めします。少額の金額で家賃を改定すると、それを合意したと見なされるため、その後の賃料交渉でオーナーに不利な結果を招くことがあるからです。
注意点
ただし、地価が下がっている場合は、今回のケースとは逆のパターンになります。地価が下がっているときは、短期間で合意した方がメリットが出る場合もあるため、状況によって柔軟に対応することが求められます。
- 参考文献:
裁判年月日:令和3年11月25日
裁判所名:東京地裁
裁判区分:判決
事件番号:令2(ワ)2074号
事件名:地代増額請求事件
文献番号:2021WLJPCA11258030