借地契約のトラブル・リスク対策

自己物件の賃料が値上根拠になる?

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自己所有物件の賃料が値上根拠になるのか?

こんにちは、不動産鑑定士の三原です。今日のテーマは「自己所有物件の賃料が値上根拠になるのか?」についてです。

賃料の値上げを請求する場合、その根拠をしっかり示すことが求められます。例えば、近隣の物件の賃料がいくらだから、現在の賃料は安いという理由で値上げをお願いする場面です。この際、オーナーが他に所有する近隣の物件の賃料を根拠に使うことができるのでしょうか?

 

結論として

自己所有物件の賃料を値上げの根拠として示すことは可能です。オーナー自身が所有する物件に関する賃貸借の状況は、最も理解している事例の一つであり、説得力を持つからです。しかし、任意の交渉がこじれて裁判に発展した場合、話は少し変わります。裁判官は、自己所有物件の賃料を根拠として示された資料を、必ずしも信頼できる資料として扱わない場合があります。

 

判例の紹介

最近の判例では、裁判で激しく争っている当事者が自己所有物件の賃貸事例を根拠に提出することに対して、慎重な扱いが示されました。裁判の当事者は、自分に有利な事例のみを提出し、不利な事例を出さない可能性があるため、自己所有物件の事例はあくまで参考として取り扱うべきだという判断です。

 

まとめ

自己所有物件の賃料を値上げの根拠として示すことは、任意交渉の段階では非常に有効です。しかし、裁判に発展すると、その根拠が必ずしも有利に働くとは限りません。裁判所では、片方の当事者に有利な事例として取り扱われることが多いため、慎重に扱う必要があります。

 

最後に

裁判に持ち込まれる前に、任意で話をまとめることが有効な場合も多いです。状況に応じて、双方が納得できる形で解決する方が、時間や費用の節約にも繋がります。

以上、今回のテーマは「自己所有物件の賃料が値上根拠になるのか?」についてのお話でした。それでは、今日の話はここまでです。

 

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