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こんにちは、不動産鑑定士の三原です。今日のテーマは「家賃値上げ【Q&A】」についてお話しします。
今回の内容は、月額家賃10万円~15万円程度の一般的なケースを想定していますが、皆さんの不動産にそのまま当てはまるとは限りませんので、その点をご注意ください。
Q1.家賃値上げをどのように進めればよいか?
端的に言うと、まずは値上げの根拠となる資料を集め、その後、値上げ通知書を作成します。通知書を賃借人に提示し、交渉を始めることが重要です。詳しくは、前回と前々回の動画で説明していますので、そちらを参考にしてください。もし合意が得られれば、覚書などを作成し、合意内容を文書で交わします。
Q2.誰に頼めばよいか?
家賃が50万円や100万円に達するような物件の場合、専門家に依頼するのが良いでしょう。しかし、月額家賃が15万円程度までの物件であれば、ご自身で対応した方がコスト的にも有利です。値上げ幅が数千円~数万円程度の場合、専門家に依頼してもそのコストを回収するのにかなりの時間がかかります。規模が小さい物件であれば、オーナー自身が手続きを行うのが現実的です。管理会社が入っている場合、その手続きも委託内容に含まれていることがあるため、管理会社に相談するのも一つの方法です。
Q3.借り手が拒否したらどうすればよいか?
普通借家契約の場合、借り手が拒否した場合、残念ながらそのままでは値上げができません。そんな時は、裁判所の調停制度を利用することができます。調停は敷居が高いものではなく、裁判所に電話して手続きを教えてもらうことができます。調停の申立て自体は比較的簡単で、通知書や根拠資料も一緒に提出することになります。
最後にアドバイス
あくまで一般論ですが、家賃の値上げを一度に大幅に行うのではなく、少しずつ、こまめに値上げを行うことをお勧めします。値上げの手続きは手間もかかり、面倒に感じるかもしれませんが、そのまま放置してしまうと、その賃料が長期間続いてしまうことがあります。少額でも、こまめに値上げを検討することが重要です。特に、オーナーが放置してしまうことで、借り手が値上げのない状態が当然と思い込むことがあるため、定期的に値上げを行うことをお勧めします。
以上、今日のテーマ「家賃値上げ【Q&A】」についてでした。