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こんにちは、不動産鑑定士の三原です。
最近、不動産オーナーから、家賃の値上げに関する相談が増えています。家賃の値上げには、しっかりとした根拠が必要です。
そこで今回は、家賃値上げの根拠となる資料と、そのの集め方について解説します。
なお、今回の内容は月額家賃15万円程度までの一般的なケースを想定しています。ご自身の不動産にそのまま当てはまるとは限りませんので、その点をご注意ください。(具体的な物件については、ぜひ当ホームページのお問い合わせフォームからご連絡ください)
まず最初に、賃貸契約書をチェックしましょう。契約書には賃料変更に関する取り決めが記載されているはずです。
例えば、現行賃料が相場と大きく異なっている場合に賃料変更が可能とする条項があります。
なお、契約書に記載されることが多い、賃料改定の理由となりうる典型的なケースは、以下の4つです。
「公租公課」「地価の上昇」「その他の経済事情の変動」「近隣の建物の賃料との比較」は、どれも賃料改定の根拠となりえますが、それぞれ資料を集めて提示することが重要です。
具体的な資料の集め方を順を追って説明します。
物件の固定資産税がどれだけ値上がりしたか、その推移を調べます。
市役所に行けば、過去数年分の固定資産税の資料を取得できます。税金の推移をエクセルで表にまとめてみましょう。
物件が所在する地域の地価がどれだけ上昇したかを調べます。
具体的な調べ方については、以前の動画「ネットで簡単!たった30秒!地価の推移の調べ方」で解説していますので、こちらを参考にしてください
消費者物価指数などの経済指標を調べます。最近は物価が上昇していますので、インターネットで調べた情報を資料として活用できます。記事を切り取って資料を作成しましょう。
近隣の賃料相場を比較することも重要です。ただし、築年数や広さ、設備などが異なる物件では簡単に比較できません。
可能であれば、同じ建物内で最近賃貸契約が決まった部屋の賃料情報があれば、それを参考にできます。
これらの資料を収集する際、重要なのは「いつ時点から現在までの変化を見るか?」です。
この点を専門的には「直近合意時点」と呼びます。直近合意時点とは、貸し手と借り手が現在の賃料を合意した時点のことです。この期間を基に、現在までの変化を調べることが重要です。
関連記事:直近合意時点とは?あえて合意更新しないで賃料増額を勝ち取る作戦を不動産鑑定士が解説!
家賃の値上げを交渉する前に、根拠となる資料を集めておくことが大切です。
しかし実際の資料を集めてみたものの、具体的にどのくらいの賃料を増額できるのか、判断が難しい場合もあります。
そのような場合は、ぜひ不動産鑑定士に相談してみてください。当事務所でも、不動産オーナーからの賃料増額に関するご相談を承っております。
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