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定期借地権の更新!賃料値上げ3つのポイント
こんにちは、不動産鑑定士の三原です。今日のテーマは、「定期借地権の更新!賃料値上げ3つのポイント」についてです。
定期借地権は、平成4年に導入された制度で、契約期間が終了すると土地は必ず返却される契約形式です。この契約は20年、30年の期間が多く、現在、更新時期が迫っているケースもあります。例えば、コンビニエンスストアなど、土地を定期契約で貸している場合などです。地主としては、更新時に賃料の値上げを希望することもあるでしょう。そこで、賃料値上げにあたって確認しておきたいポイントを3つ紹介します。
- 地価の動向
事業用定期借地権の場合、コロナ禍などの特別な事情がなければ、賃料見直しが行われないことが多かったと思います。更新時に値上げを希望する場合、まずは地価の動向を確認してください。契約当初から現在まで、地価がどう変動しているかをチェックするのです。地域によっては、20年間で地価が下がっている場合もあります。賃料は地価と連動している部分があるため、地価が下がっている場合は、値上げの交渉どころか現状維持、もしくは値下げを避けるために慎重に対応したほうがよいこともあります。逆に地価が上昇していれば、値上げを請求するべきです。
地価動向を簡単に調べる方法として、Googleマップなどを活用する方法があります。これについては別の動画で詳しく説明しているので、概要欄をチェックしてください。
- 税金の動向
固定資産税などが上昇している場合、その増額分を値上げの根拠として使用することができます。特に重要なのは、税金がいつから上がったかという点です。通常、契約当初または改定時を起点に税金の動向をチェックします。もし税金が上がっているのであれば、その増加分を反映させることが正当な値上げの根拠になります。
- 経済状況
経済状況、特に物価指数も賃料見直しに影響します。消費者物価指数などが上昇していれば、契約時や前回改定時と比較して物価の上昇分を賃料に反映させることが根拠となります。これも値上げを検討する上で重要な指標となります。
不動産鑑定士としての補足
賃料は地価と土地利用による利潤の2つの要素に基づいて決定されます。後者の利潤に関しては、借地人の事業状況が影響します。例えば、アパレル業界やブライダル業界のように、インターネットの普及や人口減少により厳しくなっている業種もあります。このような業界の借地人に対しては、賃料の値上げを強く押し進めるのではなく、契約期間を短縮して、次のテナント候補を見つける準備をすることも選択肢となるでしょう。
まとめ
定期借地権の更新時に賃料を値上げするためには、地価、税金、経済状況の3つのポイントを確認することが重要です。また、事業動向を考慮し、柔軟な対応を検討することも大切です。更新時に正当な理由で賃料の見直しを行うことで、適切な賃料設定が実現できます。
以上、今回のテーマ「定期借地権の更新!賃料値上げ3つのポイント」についてでした。