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こんにちは。不動産鑑定士の三原です。
今回は「借地の更新料は違法か?!」というテーマでお話ししたいと思います。
借地の更新料は収益アップのチャンス
借地の場合、更新料が取れるのは通常、二十年に一度というような長い期間を見越した話です。更新料が取れるかどうかによって、地主にとっては収益アップのチャンスとなります。しかし、借地人にとっては、地代とは別に一度にまとまった金額を支払うことになるため、できれば支払いたくないという気持ちもあるのが事実です。中には、「更新料なんてものは違法だ」といった意見も耳にしますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
結論:更新料は違法ではない!
結論から言いますと、更新料はまったく違法ではありません!地主さんは、正当な理由に基づき、更新料を請求しても問題ありません。
では、なぜ「更新料は違法だ」という話が出てくるのでしょうか?それは、更新料についての支払いの根拠となる明確な法律が存在しないからです。
譲渡承諾料との違い
この点、譲渡承諾料と比較すると理解しやすいかもしれません。譲渡承諾料とは、借地人が借地権を第三者に譲渡する際、地主の承諾を得るために支払う金銭のことです。この承諾料は民法612条に規定されています。
一方で、更新料については、法律には何も書かれていません。こうした違いがあるため、「更新料は違法」といった誤解を生むことがあるのです。
最高裁の判断
しかし、当事者同士で話し合って決めた更新料は、違法でも何でもありません。実際、最高裁判所も、合意による更新料の支払い慣行を認めています(昭和59年4月20日最高裁判所第二小法廷判決)。これにより、「合意」による更新料は、実務上、法的にも問題なく、地主は堂々と請求してよいことが確認されています。
まとめ
以上、今回は「借地の更新料は違法か?」というテーマでお話ししました。更新料は法的にも問題なく、地主さんは正当な理由に基づき請求できるものです。
次回は、合意更新と法定更新について詳しくお話ししたいと思います。それでは、今日の話はここまでです。