地代・更新料・承諾料について

承諾時の地代値上げQ&A

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みなさん、こんにちは。日本橋鑑定総合事務所の不動産鑑定士の三原です。
今回は、「承諾時の地代値上げQ&A」をテーマにお話しします。
先日、首都圏にお住まいの地主さん、Ⅰ(アイ)様から、地代値上げに関するご相談をいただきました。
相談者は地主であるⅠ様の息子さんで、実際の状況を詳しく伺い、回答させていただきました。
今回の事例をご紹介しながら、承諾時の注意点やポイントについて解説していきます。

相談内容
Ⅰ様のご相談内容は以下のようなものでした。

1. 状況

  • ・ Ⅰ様の土地は、昔から借地権として貸しており、いわゆる借地契約が存在している状態です。
    ・最近、借地人が土地を使わなくなり、借地人から「借地権を買い取ってほしい」と打診がありました。
    ・しかし、Ⅰ様には「もともとタダで貸したようなもの」という感覚もあり、その申し出を断ったそうです。
    ・その後、借地人から「第三者に借地権を売却したい」との申し出がありました。

承諾時の注意点
借地人が第三者に借地権を売却したいと申し出てきた場合、地主として注意すべきポイントは大きく分けて3つあります。

1. 新借地人の属性

  • • 地主としては、新たな借地人がどのような人物かをきちんと確認することが重要です。
    • 万が一、反社会的勢力や近隣に迷惑をかけるような人物が借地人になった場合、トラブルに発展する可能性があります。
    • 過去の事例では、敷地内の木の枝が隣地に影響し、借地人が地主や近隣住民からの苦情に対して「訳の分からない反論」を繰り返し、地主が対応に追われることになったケースもありました。

2. 地代の値上げ

  • • 借地権の売却を承諾する場合、地代値上げを検討すべきです。
    • 値上げはこのタイミングで認められやすいため、地代を適正水準に引き上げる絶好の機会となります。

3. 適正な地代の水準

  • • ご相談の中で、借地人が不動産業者を通じて話し合いを進める中で「地代を上げすぎると借地権が売れない」と言われたとのことでした。
    • このような場合、不動産鑑定士に相談して、適正な地代水準を調査することをお勧めします。
    • 裁判所に提出する正式な鑑定評価書はコストが高いため(通常50万円以上)、今回は簡易的な地代調査を依頼する形でも十分役立つと考えます。

地主としての主張を通すポイント
今回のケースでは、借地人や仲介業者の言いなりになる必要はありません。
実際、地主の承諾なしに第三者に売却することはハードルが高く、以下の点を理解しておくことが重要です:

  • • 地主の承諾がなければ、第三者が金融機関の融資を受けることが難しい。
    • 裁判所を介して承諾を得る手続きをする場合、手間がかかり、リスクが伴うため、借地権の売却価格が低くなる可能性が高い。

このような事情を踏まえると、地主として多少強気な要求をすることが可能です。
例えば、これまで安かった地代を適正水準に引き上げたり、地主側で買い取る際に割安な条件を提示したりすることも現実的です。

まとめ
今回は、承諾時の地代値上げに関する相談事例とその回答例をご紹介しました。
地代値上げや借地権の売却に関してお困りの場合は、不動産鑑定士への相談を検討することで、解決への道筋が見えてくると思います。
今日の内容が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
以上、「承諾時の地代値上げQ&A」についてお話ししました。

最後までご視聴いただき、ありがとうございました!

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