地主のための経営・資産管理術

ミナミ、地価28%急落の衝撃についての真実

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こんにちは。日本橋鑑定総合事務所の不動産鑑定士の三原です。今回は「ミナミ、地価28%急落の衝撃についての真実」というテーマでお話をします。

先日、3月下旬に地価公示が発表されました。地価公示とは、毎年1月1日時点での地価を国が発表するもので、私たちが不動産取引を行う際の価格の目安となります。今年の発表では、ミナミ(大阪・道頓堀)の地価が前年に比べて28%下落し、これは全国で最も大きな下落率となりました。ヤフーニュースでも取り上げられ、大きな話題となっています。

さて、今回のテーマの結論をお伝えすると、「地価28%急落が衝撃ではなく、実はこれまでの急激な値上がりが衝撃的だった!」ということです。以下、その理由を詳しく説明します。

 

ミナミの地価急落の背景

ミナミの地価が大きく下落した理由は、アジア系外国人観光客、特に中国人観光客の激減と、飲食業の需要低下が影響しています。コロナ前までは、道頓堀周辺は中国人観光客で賑わっており、観光向けのドラッグストアが立ち並ぶ光景が見られました。しかし、現在はそのような観光客がほとんどいなくなったため、需要が急激に減少したのです。

 

地価の過去の推移

ここで、28%下落した地域の過去の地価の推移を振り返ります。こちらのデータをご覧いただければわかる通り、リーマンショック(平成20年)では大きな下落が見られましたが、その後、地価は急激に回復しました。特に、1年で40%以上の上昇率を2年連続で記録するという異常な値上がりを見せたのです。この急激な値上がりが、今回の28%下落の反動であると言えるでしょう。

 

反動としての地価下落

したがって、今回の地価28%下落は、過去の急激な地価上昇に対する「揺り戻し」や「反動」と捉えることができます。今までの地価の急激な値上がりが異常だったと考えるべきであり、今回の下落は、正常化の一環だと言えるでしょう。

 

今後の地価について

コロナの影響が薄れる中で、外国人観光客が戻ってくると地価は再び上昇する可能性があります。しかし、コロナにより物流の利便性が高まり、以前のようにドラッグストアでの爆買いは少なくなるでしょう。飲食業の観光客向け売上を上げるためには、魅力的な商品やサービスを提供する必要があります。これがない限り、来年以降も地価は適正な水準に戻る可能性が高いと予想されます。

 

まとめ

ミナミの地価28%急落は、過去の異常な地価上昇の反動によるものであり、必ずしも衝撃的なものではありません。今後、外国人観光客の戻りや、地域の魅力向上により、地価が再び上昇することが期待されますが、無理に値上がりを追い求めることなく、適正な水準での取引を目指すことが重要です。

以上、今回は「ミナミ、地価28%急落の衝撃についての真実」をお伝えしました。今日の話はここまでです。

 

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