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こんにちは、日本橋鑑定総合事務所の不動産鑑定士、三原です。
今回は「ひと言でいうと地主さんにとっての借地借家法とは?」というテーマでお話ししていきます。
最初にお断り
まず最初にお伝えしておきますが、今回は地主さんの立場に立ち、本当におおまかな説明を行います。
専門家やプロ向けではなく、例えば、相続で親から借地付きの土地を受け継いで困っている方や、将来相続するかもしれない方に向けた内容です。
あまり厳密に説明すると、逆に混乱を招いてしまう可能性があるため、ここでは重要なポイントを押さえていただければと思います。
借地借家法とは?
結論から言いますと、「借地借家法は、地主さんの味方ではなく、借地人の味方である」ということです。
多くの方は、土地は地主さんのものであり、当然に地主さんが権利を強く持っていると思うかもしれません。
しかし、借地という契約に関しては、実は地主さんの権利はかなり制限されており、借りている側である借地人の方が強い立場にあるのです。
その理由は、「借地借家法」という法律が存在するからです。この法律の目的は、借地人を守ることにあります。
つまり、この法律は地主さんを守るためではなく、借地人の権利を保護するために作られたものなのです。
歴史的背景
借地借家法は、もともとは太平洋戦争の戦時中にできた法律です。
当時、借地人は地主から土地を借り、その上に家を建てて生活していました。しかし、戦争の影響で家が焼失し、借地人がその土地から追い出される事態が多発しました。
これでは、借地人が安心して生活できませんし、戦時中の不安定な状況では、借地人の家族が守られなければならないという社会的な問題が生じたのです。
そのため、政府は借地人を守るために借地法を制定し、それが現在の借地借家法につながっています。
この発想は、今でも変わることなく続いており、結果として現在の地主さんを困らせているのです。
借地と借家の違い
ここで、借地と借家の言葉の違いについても簡単に説明しておきます。
- 借地は土地を借りること、つまり土地のリースのことです。
- 借家は建物を借りること、つまり家やアパートのリースのことです。
借地借家法は、これら二つの契約形態を規定していますが、ここでは借地について話をしていますので、混同しないようにしてください。
まとめ
今回は、「地主さんにとっての借地借家法とは?」というテーマでお話ししました。
借地借家法は、地主さんにとってはあまり有利な法律ではなく、むしろ借地人の権利を守ることを目的としています。
その歴史的背景や法律の内容を理解することが、今後の土地活用や借地契約に役立つでしょう。
今後、さらに詳しい情報を知りたい方は、次回のブログや動画もチェックしてください。
最後に、2020年4月1日から民法が120年ぶりに改正されましたが、借地借家法は民法と関連があるため、こちらについても別の機会に説明したいと思います。
それでは、今回はここまで。ご覧いただきありがとうございました。