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こんにちは、不動産鑑定士の三原です。
今回は、「地代値上げのチャンス到来?!賃料の3つの性質」についてお話しします。地代値上げを検討している地主にとって、賃料の3つの性質を理解しておくことは、交渉を成功させるために最低限必要な知識です。そこで、今回はその3つの性質について詳しく説明します。
1. 元本と果実の関係
まず、1つ目の性質は「元本と果実の関係」です。これは、地価が上がると賃料が上がるという性質です。土地価格と地代は、よく「元本と果実」に例えられます。たとえば、りんごの木を元本とし、実るりんごを果実と考えてください。土地の価値が上がることで、その果実である地代も上がるというのが自然な流れです。特に今、世界的にインフレが進んでおり、地価が上がると同時に地代の値上げも認められやすくなります。まもなく、地代値上げのチャンスが訪れる可能性があります。
2. 賃料の遅行性
2つ目は「賃料の遅行性」です。賃料相場は、地価の動きに遅れて変動するという特徴があります。地価は将来の期待値を反映して決まりますが、賃料は今の使用収益に基づいて決まるため、地価の変動をすぐに反映することはありません。実務に詳しい方なら「ワンテンポ遅れる」といった表現をよく耳にするかもしれませんが、実際にはその遅れが半年や1年後に影響を与えることが多いです。
3. 賃料の粘着性
最後に、3つ目は「賃料の粘着性」です。賃料は一度決まると、なかなか値上げしづらいという特徴があります。例えば、現在貸している賃料を基準にして、改定する賃料が決まります。改定する賃料は、現行賃料に「くっついている」「粘着している」ようなイメージです。したがって、一度決まった賃料を大幅に引き上げるのは難しく、交渉の際にはこの点を考慮する必要があります。
まとめ
今日お話しした賃料の3つの性質は、以下の通りです。
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1. 元本と果実の関係
2. 賃料の遅行性
3. 賃料の粘着性
これらの性質を踏まえた上で、借地人との賃料交渉を進めることが大切です。地代の値上げを検討する際に、ぜひ参考にしてください。
以上、今日のテーマは「賃料の3つの性質」でした。それでは、また次回お会いしましょう。