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こんにちは。不動産鑑定士の三原です。
最近、賃借人からの賃料値下げ要求が少しずつ増えているのをご存じでしょうか?この背景には、賃料減額を専門に手がけるコンサルティング会社の存在があります。今回は、この「賃料減額ビジネス」との向き合い方、そして地主・家主さんにとっての賃料改定のヒントをご紹介します。
賃料減額ビジネスとは?
賃料減額ビジネスとは、テナントの賃料を下げる交渉を代行し、その成功報酬を得るという仕組みのビジネスモデルです。このような会社がテナントに提案を行い、地主や家主さんに賃料の値下げを求めてくるケースが増えています。
実はこのビジネス、15年ほど前の景気が悪かった時期にも流行していました。当時は、不況下でテナントのコスト削減が必須だったため、一定の需要があったのです。しかし、現在の経済状況を考えると、このビジネスが時流に合っているかは疑問が残ります。
最近、銀行経由で賃料減額ビジネスの提案が再び行われ始めたと耳にします。しかし、私の個人的な見解としては、このビジネスモデルは時流に合っているとは思えません。
地価が下がり、不景気で税金が低かった15年前とは状況が異なります。現在はまだそのような時期ではなく、むしろ賃料増額の余地があるケースが多いと感じます。
賃料値下げ交渉がきた場合の対処法
地主や家主さんが賃料値下げの要求を受けた場合、どう対応すればよいのでしょうか?
実は、値下げ交渉は逆に値上げのチャンスでもあります。
現在、地価は上昇しており、固定資産税も増加傾向にあります。もしテナントから値下げの話がきた場合は、「これまで我慢していたが、むしろ賃料を見直して値上げをお願いしたい」と切り出すことが有効です。
ここ10年間の賃料改定に関する裁判例を調べると、以下の結果が出ています
- 賃料増額事件:234件
- 賃料減額事件:103件
このデータから分かるように、賃料増額が賃料減額を大きく上回っています。つまり、現在の賃料改定のトレンドとしては、増額交渉の方が優勢だといえます。
賃料の値上げ交渉に必要なもの
さて、テナントから値下げの話がきた場合に、反対に値上げを交渉するためには、次のような資料を用意するのがおすすめです。
- 過去数年分の固定資産税の資料
- 物件が所在する地域の地価情報
- 消費者物価指数などの経済指標
- 近隣の賃料相場情報・地代水準の客観的資料
このうち土地の賃料である「地代水準の客観的資料」については、当事務所でも調査を承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。下記にてサンプルをダウンロードいただくことも可能です。
関連記事:家賃の値上げ交渉に必要な資料とは?集め方を不動産鑑定士が解説!
賃料値下げ交渉は逆に値上げチャンス
賃料値下げ交渉がきた際には、地価上昇や固定資産税の増加などの現状を踏まえ、慎重に対応することが重要です。特に、「値下げ交渉を受ける=値上げの交渉材料になる」という視点を持つことがポイントです。
しかし、賃料値上げを成功させるためには、周辺の地価・賃料などをまとめた客観的な資料を用意する必要があります。そのため賃料交渉時は、ぜひ不動産鑑定士にも相談してみてください。当事務所でも、不動産オーナーからの相談を承っております。

