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皆さん、こんにちは。不動産鑑定士の三原です。今回のテーマは「相続税を安くする最善のツールとは?」についてです。
先日ある地主さんとの会話の中で、不動産鑑定を使うことで相続税を安くすることができるかどうか?について質問がありました。
結論からいうと、ズバリ!不動産鑑定を使うことで相続税が安くなり得ます。
では、その根拠をお話します
そもそも相続税とは、簡単にいうと、お亡くなりになった人が所有する財産の大きさに応じて掛かってくる税金のことです。財産のうち不動産がある場合、それを評価しなければなりません。その不動産の評価額を、仮に低く査定することができれば、その分、相続税が安くなるということです。そして、この低く査定するための最善のツールが不動産鑑定ということになる訳です。
では、どういった不動産が不動産鑑定の対象になるか?ですが、主に、時価が路線価、つまりは国税庁が公示する公的な価格の評価額と実際の価格が乖離する物件です。路線価は一律に決まるため、実際の不動産の価値と乖離しているケースが少なくありません。例えば、土地の形が複雑であったり、極端な形状であったり、道路に面していない特殊な物件である場合、がけ地や高低差がある場合など、です。不動産鑑定では、これらの要素を考慮して、より適正な価格を算定することが可能です。
このように不動産鑑定を受けるメリットとして、適正な評価額を算出することで、相続税の払い過ぎを防ぐことができます。また税務署への説明資料としても有効です。税務調査が入った際、不動産鑑定書が何よりの証拠となります。あとは遺産分割におけるトラブル防止にも役立ちます。相続人全員が納得できる評価額を算出することで、相続人同士のトラブルを防ぐことができます。
一方で、不動産鑑定のデメリットについてですが、鑑定費用がかかるという点。このあたりは費用対効果をしっかり検討したほうがよいかと思います。
最後に個人的なアドバイスになりますが、不動産鑑定を受けるべき方はどういった方かといいますと、路線価評価と実際の価値に大きな不安があると思われる方、特殊な不動産を持っている方など、不動産評価で不安がある方は、早めに不動産鑑定士に相談しておくほうがよいと思います。
不動産鑑定は、相続税の節税対策として最も有効な手段の一つです。しかし、不動産鑑定を依頼するかどうかは、個々の状況によって異なります。専門家にご相談の上、ご自身にとって最善の判断をしていただければと思います。
以上、今回は「相続税を安くする最善のツールとは?」でした。今回の話はここまで。