地主のための経営・資産管理術

相続税路線価と固定資産税路線価の違い

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皆さん、こんにちは。不動産鑑定士の三原です。今日は、「相続税路線価と固定資産税路線価の違い」についてお話しします。

まず結論からお伝えすると、相続税路線価と固定資産税路線価は、それぞれ税法上の目的や計算方法が異なります。これから順を追って説明していきますね。

まず、相続税路線価についてです。これは相続税法に基づいて評価される土地の価格で、簡単に言うと、土地を相続した際にかかる相続税の基礎となるものです。相続税路線価は毎年、国税庁が発表しています。最近、都市部では実勢価格、つまり市場での取引価格が非常に高くなっています。実勢価格に比べて、相続税路線価は低めに設定されることが多く、特に都市部ではその差が大きくなる傾向があります。要するに、相続税路線価が市場価格に追いついていないという状況です。

次に、固定資産税路線価についてです。こちらは、固定資産税法に基づいて評価される土地の価格で、土地の所有者が毎年支払う固定資産税を計算する際に使用されます。固定資産税路線価も、土地の市場価格や地域の需要・供給を考慮して算定されますが、相続税路線価より1割ほど安いことが一般的です。
つまり、相続税路線価は相続税の計算に使用され、固定資産税路線価は固定資産税の計算に使用される、という点で違いがあります。

ここで、両者に関して注意していただきたいポイントを3つ挙げます。
1つ目は、どちらの評価額も簡便な基準に基づいて画一的に設定されているため、土地の個別性が十分に反映されていないことです。つまり、時価の参考にする際は評価額をそのまま鵜呑みにしないようにしましょう。

2つ目は、特に土地の個別性が強い場合、例えば崖地や道路の接続状況が悪い土地、大規模な土地などでは、評価額が過大になるケースがあるということです。評価が高すぎると、税金を余分に支払うことになりかねません。もし評価額が高すぎると感じたら、不動産鑑定士にチェックを依頼することをお勧めします。

3つ目は、相続税と固定資産税の目的が異なるため、両者の評価額は異なります。そのため、売買や遺産分割などの際にこれらの金額を目安にすることはできますが、実際の市場価格を把握するためには別の方法が必要です。少しでも疑問がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。

過去に路線価の調べ方についての動画も作っていますのでリンクを貼っておきます。ぜひチェックしてみてください。
Youtube【自分で簡単に調べよう!】路線価とは??調べ方・価格査定の仕方【パソコン画面付き解説】
Youtube【誰でも簡単】もっと相続税路線価を活用しよう!厳3選(土地売却・遺産分割・相続対策の際の基礎資料になる!!)
Youtube払いすぎていませんか?(基礎知識)固定資産税の課税明細のチェックポイント
Youtube固定資産税の傾向|増税?減税?

以上、「相続税路線価と固定資産税路線価の違い」についてお話ししました。参考になれば幸いです。それでは、今日のお話はここまで。

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