地代・更新料・承諾料について

賃料値上げ交渉はどう進める? 成功させるコツを不動産鑑定士が解説!

下記のブログは、こちらから音声でお聞きいただけます。

皆さん、こんにちは。不動産鑑定士の三原です。

当社のYouTubeチャンネル「地主の駆け込み寺ch」に、下記のような質問が届きました。

「家主です。月額賃料12万円のところ、15万円に増額請求しました。しかし、賃借人は一切値上げ交渉に応じない姿勢を見せています。初めてのケースなので、どう対応したら良いか教えてください。」

このように、賃料値上げを伝えたものの、賃借人が交渉に応じてくれないというのは、最近よく見かけるケースですね。

今回は賃料値上げ交渉を進める流れや、値上げを成功させるコツについて、不動産鑑定士の視点から解説します。

賃料値上げ交渉の流れ

賃料値上げ交渉にどう対応するかは状況次第ですが、一般的な流れは次のようになります。

  1. 内容証明を送る
  2. 調停の申し立てを検討する
  3. 訴訟を視野に入れる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 内容証明を送る

まずは、内容証明でオーナーの意思を正式に通知しましょう。「いつから、いくらに値上げするか」を明確に伝えます。

関連記事:家賃値上げの通知書(賃料増額請求書)の作成方法を不動産鑑定士が解説!

関連記事:テナントへ値上げはどう伝える?注意すべき表現を不動産鑑定士が判例を基に解説!

ただし、無理な値上げ幅だと、後々不利になる可能性もあります。市場の賃料相場をよく確認し、適切な金額を設定することが大切です。

どのくらいの賃料が相場なのかは、不動産鑑定士へ相談して算出するのがおすすめです。

関連記事:家賃の値上げ交渉に必要な資料とは?集め方を不動産鑑定士が解説!

内容証明郵便の効果的な使い方については、下記の動画でも解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

【行政書士対談】賃料値上げの返事が来ない!内容証明郵便の効果的な使い方

2. 調停の申し立てを検討する

内容証明郵便で値上げを通知しても先に進まない場合は、次に調停を検討します。

調停は、裁判所を介して話し合いを試みる手段です。裁判官や弁護士、不動産鑑定士などが調停委員となり、双方に適切なアドバイスを行いながら仲介してくれます。

調停くらいは専門家に頼らず、オーナー自身で対応してもいいでしょう。

なお、調停制度の概要については、下記の動画でも解説しています。

地代値上げ 調停の概要

3. 訴訟を視野に入れる

断固交渉に応じないテナントには訴訟を視野にいれるか、オーナー側が妥協して賃料を据え置きにするか、どちらかを選ぶことになります。

賃料値上げを目指すなら、訴訟を視野に準備を進めていきましょう。

訴訟となると、弁護士の力を借りることが一般的です。

賃料値上げ交渉を成功させるコツ

さて、賃料値上げ交渉を成功させるコツとしては、次のような点が挙げられます。

  • 訴訟費用をかけないほうが得策だと賃借人に伝える
  • 高圧的な態度を取るテナントに対しては訴訟を躊躇わない
  • 訴訟に向けて賃料の根拠となる情報を集める

それぞれ理由を見ていきましょう。

訴訟費用をかけないほうが得策だと賃借人に伝える

訴訟となると弁護士の力を借りることが一般的とはいえ、アパート1室や小規模なビルの1室の賃料を値上げするケースでは、弁護士を雇うかどうか迷うところですよね。

しかし、これはテナント側も同じです。テナント側にとっても、最終的に値上げになる可能性が高いのであれば、訴訟費用をかけずに最初からある程度の値上げに応じたほうが得策だと感じるかもしれません。こういった提案をテナント側にするのも良い交渉手段です。

高圧的な態度を取るテナントに対しては訴訟を躊躇わない

一方で、テナントが借地借家法の借主保護を盾に取り、オーナーを軽く見るような場合もあります。こうした高圧的な態度を取るテナントに対しては、訴訟に踏み切るのも有効な手段です。訴訟を通じて、真剣さを示すことで相手に圧力をかける作戦ですね。

訴訟に向けて賃料の根拠となる情報を集める

訴訟して賃料の増額が認められるかどうかは、適切な情報を集めることが大切です。主な資料としては、次のような例が挙げられます。

  • 過去数年分の固定資産税の資料
  • 物件が所在する地域の地価推移
  • 消費者物価指数などの経済指標
  • 近隣の建物の賃料との比較

これら賃料算定の決め手となる情報については、不動産鑑定士に相談して集めるのも選択肢の一つです。

賃料値上げ交渉をスムーズに進めるには不動産鑑定士も活用!

賃料値上げ交渉は、内容証明郵便の送付→調停→訴訟という流れで進みます。

訴訟にまで至らずに値上げを受け入れてもらえることが一番望ましいですが、もし賃借人が交渉に応じない場合は、毅然と対応していく必要もあります。

こうした交渉を有利に進めるためには、不動産鑑定士の活用も効果的です。

不動産鑑定士に適正な賃料を算定してもらった資料があれば、貸主の一方的な主張ではなく、第三者による公正な根拠がある状態で交渉を進められます。

かりに調停や訴訟に進んだ際も、不動産鑑定士による算定は大きな影響力を持つため、ぜひ一度相談してみてください。当事務所でも、オーナー様からのご相談を承っております。

当サイトの管理者

  • 三原 一洋
  • 株式会社日本橋鑑定総合事務所 代表取締役
  • 不動産鑑定士 (国土交通省登録No.7765)
    公認不動産コンサルティングマスター
    相続対策専門士

  • 1975年和歌山県生まれ。
  • 不動産鑑定事務所から、ファイナンス会社の不動産評価、融資審査業務を経て、2006年に株式会社日本橋鑑定総合事務所を設立。
  • 地主・不動産オーナーが直面する「不動産問題」の解決を得意とする。

公式SNSアカウント

フォローお待ちしています!